2012年5月2日水曜日

「カフェオレ様」にみる電通の凋落

日本経済新聞電子版より引用 2012/05/02 20:05

 電通の調査組織、電通総研が15〜34歳の若年男性を対象に行った「ファッション・美容意識実態調査」で、 新しい若年男性像が明らかになった。これまで「草食系」といわれることが多かったが、美容アイテムにこだわりながら、 出世や異性に強い興味を持つという積極的な面も併せ持つ人たちが全体の約4割を占めた。今回の結果を企業のマーケティング活動などに生かしていく。  同社はこれらの若年男性を、二面性が混じり合っているという意味で「カフェオレ様」と命名した。彼らが1カ月に使える金額は平均5万938円で、女性とのデートに1回当たり9904円払っていることも分かった。


電通の調査で若年男性像は明らかになるか?

 明らかになるのではなく、こうして新たに男性像が作られるのですね。これまで「草食系」といわれることが多かったらしいですが、この造語が使われていた文脈を正確に分析しなくてはなりません。「草食系」なる造語は、それが浅はかなレッテル貼りであると自覚されながら嘲笑的に用いられているのが一般です。多くの用語例では、「草食系」にある接頭語が付加されます。い・わ・ゆ・るという接頭語です。「いわゆる「草食系」ってやつか…」こうして、この用語を使う側は、自分はそんな浅はかな語句には一歩距離を置いていることを明示しているのですね。
 このような状況の中で、未だに流行の仕掛人という自負心の強い電通様は、新たな造語を提供してくれました。さっそくですが、居酒屋の小ネタに、「今度は、電通様が「カフェオレ様」とか言い出したぞ」という文脈で、この造語を使用させていただこうと思います。
 この素晴らしく程度の低い命名技術を賞賛する(ふりをする)ことで、大したネタフリを置かずとも、スムーズに笑いを誘うことができそうです。そして、極めてスムーズに電通の無能ぶりに話を展開できますね。


電通総研は今回の結果を企業のマーケティング活動などに生かしていく…

 本当に、その手法が通用すると信じていそうなところが、ひとつ怖いところです。また更に、電通のマーケティング手法に対する反感と冷笑を生みそうです。こうして、何も考えない広告代理店・大手メディアと、少しずつ賢くなっていく消費者との距離は広がっていくのでしょう。何年遅れているか見当もつかないようなマーケティング手法を大々的に展開していただきたいものです。
 若年層のテレビ離れが進むのは、まさに電通様らの自業自得のようです。「草食系」よりも数段(自己)破壊力に溢れる造語を提供いただきました。受け取る側は、賢く的確に、提供いただいた造語を使わせていただきます。


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