外国為替市場で、円相場が当面膠着するとの見方が強まっている。通貨オプション取引で今後1ヵ月間の予想変動率(ボラティリティー)は約2ヵ月ぶりの水準まで低下した。
ボラティリティーとは?
ボラティリティ(Volatility)は、原資産価格の変動(ぶれ)の平均値で、
年率(%)で表示されます。
原資産価格の変動幅が大きいほど、ボラティリティは高くなります。
また、ボラティリティが高いほど、オプション価格(プレミアム)は高くなり、
逆にボラティリティが低いほど、オプション価格(プレミアム)は低くなります。
オプション価格(プレミアム)は、原資産価格が将来どれくらい変動するかで決まってきます。
つまり、ボラティリティ(変動率)が決まれば、
オプション価格の計算法であるブラック・ショールズ・モデルや
2項モデル(CRRモデル)で計算することができます。
≪ボラティリティの種類≫
ボラティリティは、(1)インプライド・ボラティリティ(予想変動率)、(2)ヒストリカル・ボラティリティ(歴史的変動率)
の2つに大別できます。
◆インプライド・ボラティリティ(予想変動率)
インプライド・ボラティリティ(Implied Volatility:IV)は、将来の変動率を予測したもので、予想変動率ともいいます。
オプション契約は将来の契約なので、
変動率も“将来の変動率”を利用します。
この将来の変動率には、
市場関係者における将来の予想(人気、期待度など)が反映されています。
予想変動率は、歴史的変動率(実際の過去の相場の変動率)を基に、
今後の相場動向の予想や需給関係を加味して決定されます。
予想変動率の理論値を計算する方法はありません。
しかし、上場オプションの場合は、オプション価格(プレミアム)で取引されているので、
ブラック・ショールズ式を使ってプレミアムから逆算し、
インプライド・ボラティリティを計算します。
◆ヒストリカル・ボラティリティ(歴史的変動率)
ヒストリカル・ボラティリティ(Historical Volatility:HV)は、過去のデータに基づいて算出した将来の変動率で、
歴史的変動率ともいいます。
日々の原資産価格の変化率の平均値として計算されるもので、
統計学でいう標準偏差(σ-シグマ)にあたります。
歴史的変動率は、予想変動率を推測するのに使われています。
日経の記事によると、
今年3月中旬の円高修正局面では、
ボラティリティーが今年最高の値である10.85%まで上昇したそうです。
そこまで上がったボラティリティが、急激に低下しているということです。
週明けの4月17日にはユーロ下落・円高が急速に進んだ印象があります
が、
これは、
スペイン債務問題などの欧州債務問題をにらんでの
リスク回避による円価格上昇
だと思われます。他方で、
4月27日には、日銀の追加緩和が行われる
との憶測が極めて強くなっており、
この状況で円を積極的に買い進めることは躊躇されます。
4月18日の為替相場は、前日の円高基調から一転して
円価格は下落の様相を呈しています。
それと連動するように、
17日には日経平均は大きく値を下げたにもかかわらず、
翌18日には大きく値を戻しました。
ボラティリティーからみて、為替相場が膠着する
との読みが正しければ、
今後1週間は、17日の円の高値と18日の円の高値の間で、
相場は行ったり来たりを繰り返すのではないか、
との予測が立ちます。
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